第8回教育ITソリューションEXPO取材報告(No.3 No.2 No.1)

2017年5月17日(水)~19日(金)に東京ビッグサイトで開催された、学校・教育関係者対象の“第8回教育ITソリューションEXPO”(EDIX)取材内容を、3回にわたって掲載。

特集

No.3

EDIX 2017

例年、出展がある業界を代表する企業ブース、出展社が多いキーワードとなる分野のブースから5社を紹介。
eラーニング業界最大手である株式会社ネットラーニングは、ブースでeラーニングやオンライン教育など全体の流れを知ることができる。
話題になることが多い学校の安全・情報保護などについては株式会社ソリトンシステムズが、学校全体のセキュリティを紹介する。教室内で進む国際化への細かい具体的な対応例を株式会社日本データコントロールが見せている。
技術が進むLecture Capture Systemは、株式会社映像センター、また出展の多い子供向けプログラミング教育では、ヒューマンアカデミー株式会社をとりあげる。
 



 
【eラーニング】

eラーニングやオンライン講座、MOOCなどの開発や普及において大きな役割を果たしてきた、株式会社ネットラーニングのブースは今年も充実。企業・教育機関どちらに対しても、学習履歴管理、コンテンツ作成、動画eラーニング、カスタマイズなど、eラーニングの新しい方向性や広がりを見せる。

 


 

【セキュリティ】
ネットワークへの侵入、個人情報が含まれたファイルの受け渡し、業務上必要な外部からの学校ネットワークへのアクセスなど、学校で起こるセキュリティを脅かす問題を取り上げて、対応する“NetAttest EPS”、“FileZen”、“Soliton SecureDesktop”を説明する株式会社ソリトンシステムズ(Soliton Systems K.K.)。また、同社サイトでは、業界ごとに導入事例を見ることができる。

 


 

【国際化】

外字の問題は、学校現場では毎年、出席簿をはじめ各種名簿を作成するときに起こる問題。内部で作った少し形の悪い外字や手書き文字が入った名簿を目にすることも多い。外字共有ソフトを、どのように作成するか、登録するか、共有するかを紹介。自分の氏名だけ印刷が他とは違うと感じることもない、便利なソフトは、株式会社 日本データコントロールの“みんなの外字”。同社サイトで、ビデオ紹介を見ることが可能。

 


 
【プログラミング教育】
ヒューマンアカデミー株式会社は、5歳以上の子供を対象にヒューマンアカデミーロボット教室を展開する。オリジナル教材とモーターを使い、ロボットを作り、そのロボットで様々な動きをプログラムすることに挑戦させる。上級コースではプログラミングでロボットを制御し、ロボット工学の基礎にふれることもできる。

 


 
【LCS-Lecture Capture System】
eラーニングで注目されているLCS市場(講義の動画収録/配信ソリューション)は、各社で競争が高まっている。株式会社映像センターは、シームレスな“学内YouTube”を実現する。運営側は、講義の収録/アップロード、コンテンツ管理/編集、視聴行動分析などが簡単に操作可能。視聴側は、キーワード検索などで見たいコンテンツを素早く検索し視聴できる。

 
 




No.2

展示会場2

◆教育機関に学ぶ児童から学生まで、登録から始まり、出欠席、学習状況などを把握して管理することや、保護者と必要な連絡を迅速に正確に行うことのために、アプリやサービス、システム導入などが進んでいる。学校など教育関係業務支援の2社、ハーモニープラス株式会社及び、富士ゼロックスシステムサービス株式会社を紹介。◆
 
 
単位の登録、履修歴、時間割、学生の出席や学習状況などについて、学生の状態を管理・指導し就職につなげるために担任やチューターなど、中学や高校と同じようなシステムをとる大学も増えている。基本的にクラス単位で授業が行われる中高と異なり、大学は一人一人の把握がむずかしい。それを教務で使うシステムと連携して、リアルタイムで個人記録が更新される大学向けキャリアデザインシステム“学生ピタ!サービス”は、ハーモニープラス株式会社。出席管理も時間割登録も、単位や科目もすべてをシステム化する必要があるが、すべてがアナログでリアルタイムでの把握・対応ができない状況では、これからの教育機関としては競争力に問題を持つことになるだろう。

 

忙しい保護者とのコミュニケーションは、学習塾にとって他社との差を出すポイントでもある。緊急連絡から、面談の予約連絡や欠席・遅刻の連絡まで、年々回数も増加し、連絡内容も幅広くなっている。学習塾と保護者がスマホで簡単に連絡がとれるサービスが、富士ゼロックスシステムサービス株式会社の、学習記録コネクト。便利なだけではなく、生徒の学習記録も生徒自ら授業や自分のノートを撮影して記録、それを見て能動的な学習を促す。更に、理解度や確認テストも同じ画面で、学習塾・生徒・保護者が共有し、学習進捗状況を三者が常に把握できる。

 


 

◆eラーニングにおいて、選択問題ではない複数解答が考えられる問題の採点と評価、学習履歴から自分の習熟度を把握させ次の学習を組み立てること、参考資料をどのように準備するか、これまでのコンテンツでは効果が弱い内容をどのように教えるかなど、教育内容に取り組む4社、株式会社コンテンツアンドシステムズ株式会社エル・インターフェース株式会社朝日新聞社株式会社デジタル・ナレッジのブースを紹介。◆
 
 
英語教育で、指導がむずかしいのが、日本語問題文を英訳するという英作文。ミスが複数あるときに、どれから説明していくか、正解は一つではないことをどのように評価するかなど課題は多いが、結局は個人指導にかけられる時間の問題になってしまう。それを解決する一つの方法が、株式会社コンテンツアンドシステムズの“PhrasePhraseMe(フレーズフレーズミー)”、英作文瞬間添削システム。すべてのミスを一度で直さないで考えさせる、複数の解答が用意されている、表示の面でも自分のノートに添削を受けているような工夫があるなど、教える側の経験から生まれたソフトであることが伝わってくる。さらに各生徒のミスがリアルタイムで蓄積されていくため、一斉指導や個別指導の必要性もすぐ分かる。

 

英語の本を多く読み、英語力を高めていく学習法が多読である。多読の教材はレベルや語彙力で分けられているが、自分のレベルや語彙力から教材の難易度を測ることができれば、多読を自分で組み立てていくこともできる。これまでに何を学習して、その中で何が理解・定着しているかというデータが蓄積され、そこから次の学習を考えていく。文脈で理解したと思った語彙は、本当に理解されたのか、単語テストで確認され判定される。自分自身の学習履歴と徹底的に向き合うことができるシステムだ。株式会社エル・インターフェースの“スーパー英語”は自分で「英語教育をデザインする」教材となる。

 

アクティブ・ラーニングや反転授業では、参考資料を利用することも多い。株式会社朝日新聞社ブースでは、写真ライブラリーの“歴史授業キット”を紹介、新聞社の歴史的な写真を、株式会社マピオンのオリジナル地図作成アプリ“マピオン・アクティブラーニングマップ”上に表示することができる。地域の地理や歴史を調べる時は、PCを利用して共同作業し、生徒たちがグループワークで撮影してきた写真も使って、内容を充実させることを可能にする。


 

eラーニングをトータルに提供している株式会社デジタル・ナレッジのブースでは教育用VRコンテンツ制作サービスに注目。教育のクオリティ向上のために、eラーニング(映像で知識の定着を)とVR体験(危機管理、対人トレーニング、マナー、マニュアルなどを擬似体験)によるハイブリッドなコンテンツ制作。ブースでは、クレーム対応教育用VRコンテンツ体験を提供。VRゴーグル装着で、クレーム場面を臨場感あふれる擬似体験は、「見る」よりもさらに踏み込んだ研修となる。

 




 
No.1 2017年EDIX全体を見て

EDIX 2017

今回のEDIXでは、まず年々、出展企業が増えていること・これからも増えていくこと、すなわち、eラーニング、校務支援システム、教材コンテンツ作成、学校セキュリティなど、教育分野のIT開発が進んでいることを、強く感じた。同時に、学校へのICT導入をこれから検討しなければいけないと、初めて訪れる来場者の方も今年は増えているようであった。

学校事務関係では、証明書類の発行を手軽に安全に行い、生徒や学生にとっても便利になるシステムやサービス、教務の効率化やアウトソーシングなどのコーナーもあった。教育内容では、動画も含めた教材コンテンツの作成手法や、アクティブラーニング・自律的学修などをアピールする商品やサービスの説明が増え、入場者も集まっていたことも特色であるといえる。

また、色々と問題が起こっているセキュリティは、学校のネットワークをはじめ、教師の自宅作業、生徒や児童に対するセキュリティ教育まで、色々な商品やサービスをブースで説明していた。あらためて、この問題の大きさ、今後の重要性が伝わってくる。

話題となっているプログラミング教育の小学校への導入に対応する企業ブースも何社もあり、ディスプレイ画面ではなく、ロボットやブロックなど手に取って触ることができる「物」が見られるコーナーとなっていた。実際に大人である入場者が、真剣にプログラミングのデモ授業に取り組む姿も見られた。高学年向けの教材では、プログラミング言語BASICでロボットを動かそうというデモ授業もあり、むずかしさに驚く参加者もいるようであった。

新しい使用の方向性が広がっているVR技術の体験コーナー、デモ授業や説明を回っていると時間がなくなるデジタル教科書の各社パンフレットコーナー、アナログな商品を紹介する企業ブースなども、入場者の立ち寄りが見られた。

以下、写真は左から、東京書籍株式会社は“VR防災体験”、株式会社戦略MG研究所は“マネジメントゲーム”、安川情報システム株式会社は情報モラル教育も含めた学校セキュリティの提案をブースで展開。(画像はクリックで拡大)

Qureでは、年齢も経験も異なるがそれぞれ教育に関係するスタッフが異なる視点でEDIXで取材をした。そして印象に残った企業について、特集のNo.2とNo.3では写真紹介していく。

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