第7回EDIX取材報告(2社インタビュー追加)

教育ITソリューションEXPO(EDIX:エディックス)は、企業や学校などがICTを導入・検討するために来場する展示会で、今年で7回目の開催。

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EDIX全体

教育ITソリューションEXPO(EDIX:エディックス)は、企業や学校などがICTを導入・検討するために来場する展示会で、今年で7回目の開催。

会場全体は7ゾーンに分かれており、Qure編集部が取材したeラーニングジャパンのゾーンだけでも、各ブースをすべて回って説明を聞こうとすると一日ではおさまらないほど新しい商品やサービスが紹介されていた。

各社個別の説明を聞く機会はあっても、このように複数の企業や商品を比較できる機会は少ない。編集部でもニュースやプレスリリースにて知ってはいても、実際に見る・使用するという貴重な体験ができた。ブースで使用デモや体験が行われていると、人の輪ができるほどであった。

 

【EDIX】文房具のように気軽に使えるクラウド型eラーニングシステム ◆くらふとわーくす株式会社◆

くらふとわーくす

くらふとわーくす株式会社は2006年設立、独自のインターネットサービスを開発、現在クラウド型eラーニングサービス“eden LMS”を提供している。その“eden LMS”をブースで紹介。
代表取締役漆尾氏に取材。

同システムの強みは3つ。
第一は、クラウド型であるため初期費用無料であり、少ない予算で導入可能であること。さらには、大規模利用が必要な月だけプランを変更するという月単位でのプラン変更も可能。
第二は、このシステムでは利用者が簡単に教材作成できること。ワードやパワーポイントを使用するような感覚で文字や図を含む教材を作ることができる。
第三は、PC、タブレット、スマホなど様々なデバイスに対して簡単に配信できること。作成した教材をそれぞれのデバイスで最適に見られるように自動的にきれいに表示が調整される。デバイスごとに表示を考えた作り分けをする必要がない。

このような特徴を持つシステムについて代表取締役漆尾氏は「わかりやすくイメージするならば、簡単に使える文房具のような存在」と語っている。

スタッフや社員の教育としてeラーニングを始めてみたいという企業が、手軽に導入できる選択肢の一つとなるだろう。。

【企業サイト】
くらふとわーくす株式会社

 

【EDIX】ラーニングテクノロジーの力でビックデータ活用へ ◆株式会社ジンジャーアップ◆

ジンジャー

株式会社ジンジャーアップは1998年設立、eラーニングにおいてコンテンツ、システム、コンサルティングまで提供。主力商品はeラーニングシステム“eラーニング マネージャーZ”。またビックデータ(学習履歴だけではなく研修や業務での実績、評価など様々な経験履歴)を収集、蓄積し分析し能力開発や人材教育に活用するxAPI(Experience API)/LRS。
代表取締役井手氏に取材。

展示パネルの一つは、動画教材について視聴の有無ではなく、より細かく学習者がどのように動画教材を使用したかを把握できるシステムを説明する。動画教材視聴のデータを学習者評価さらには教材の再検討にもつなげている。学習効果測定に留まらず、そこから何を導き出したいかという「教育のシナリオ」がシステムを考えるには必要であるという。

LMS(Leraning Management Sysytem)/LRS(Learning Record Store)xAPI (Experience API)が示す同社の高い技術力は、受講者の詳細、正確な学習履歴と学習以外の経験履歴を一つのシステムで収集・蓄積・分析し、学習能力の把握やその後の個人指導において活用する。「ビッグデータは集めれば集めるほど時間がたてばたつほど、このシステムによって精度が高くなる」と井出氏。教育ビックデータの分析は企業教育、学校教育どちらにおいても必要性は高く、両社の導入事例もブースで紹介している。

学校教育を考えても、入学時データ、担任の面談内容、成績、進路担当との面談内容、授業担当者の気づきなどデータが散在しているが、それがビックデータとなるかどうかは、このようなシステムの採用にかかっているのではないか。

【企業サイト】
株式会社ジンジャーアップ

 

【EDIX】高いデザイン性を武器に、専門性の高い実務教育の新展開を目指す ◆Mogic株式会社◆

Mogic株式会社は2009年設立、法人向けにeラーニングサービス“LearnO”を提供している。同社単独では今回初出展となる。
ビジネスディベロップメント チーフ 川村 泰宣氏に取材。

出展理由は、「eラーニングを求めている企業は何に困っていて、どんなサービスを求めているかを直接聞きたかった」と川村氏。
“LearnO”は、学習者の視点にたってデザイン性の高さにより直感的に使える操作性を重点として開発されている。同商品はパッケージ商品として販売しているが、オプションの追加を柔軟に顧客対応できる強みがある。

今後は、特定の分野には限定しないが、実績のある医療、介護、保険業界、金融業界ではさらに導入を拡大していきたい。加えて、実務に必要な資格や製造業での細分化されたニーズに対しても導入を広げていきたい。コンテンツ制作サービスはないが、コンテンツ制作会社を顧客に対して紹介し、専門性の高い教育(特殊な技能、専門技術、専門知識、独自なノウハウ)に適したサービスを提案していると語る。

【企業サイト】
Mogic株式会社

 

【EDIX】学習環境デザインと教育ビッグデータ分析活用でモチベーションUP ◆株式会社デジタル・ナレッジ◆

デジナル コックピット

株式会社デジタル・ナレッジは1995年設立。eラーニング専門ソリューションベンダーとして、eラーニングのすべてをサポートする製品、サービスを提供してきている。
執行役員青木氏に取材。

今回は、株式会社SuMiKa(※)と共同開発した学習空間に最適な小屋“Learning Cockpit[S-POD](ラーニングコックピッド)”を展示説明。“ラーニング専用のタブレットも設置済み”であり、“100以上のラーニングコンテンツが学び放題”となるこの球体の空間に入れば業務と学習のスイッチが切り替えられる。物理的に学習者のモチベーションを高めようとしている。実際にコックピット内に座り木製の棚に囲まれると、閉鎖空間ではないのに周囲の風景や雑音が気にならなくなる。

eラーニングプラットフォーム“KnowledgeDeliver”はAnalytics+をプラス、学習履歴から強みや改善点を分析し可視化、さらに分析結果を判断してRobotメニューが必要な復習内容を追加する機能もある。受講者の学習を改善することで、学習モチベーションを維持し高めることにつながるであろう。

「これまでeラーニングのノウハウと受講者の架け橋になりたいというテーマやってきたが、これからは学習環境デザインと教育ビッグテータで学習者のモチベーションを高めていきたい。お金をかけてでもやりたいと思うeラーニングを目指していきたい」と青木氏。

(※)株式会社SuMiKaは「住宅の新築・改築・リノベーションなどをサポートするウェブサービス」を提供する

【企業サイト】
株式会社デジタル・ナレッジ

 

【EDIX】結果にこだわるeラーニングを支援する ◆株式会社ネットラーニング◆

ネット

株式会社ネットラーニングは1998年設立、ネット教育のリーディングカンパニーとして自社開発システム、コンテンツ、そしてサービスとeラーニングトータルソリューションサービスを提供してきている。ブースに展示されているパネルや講座モニター画面を前に、吉田氏に説明していただいた。

ブースでは統合型ラーニング・マネジメント・システム、教育/研修ビジネスサービス支援、STEM教育など各種の教育情報が展開されていた。同社は、前提のサービスとしてサーバーやネットワーク環境におけるeラーニング導入の減点要因を減らす。次にラーニングデザイン、すなわち学習内容をどのように、どのような順番で提供するか、これまでの開講講座数、受講者数の経験に基づき学習効果を考えた最適な学習プロセスをデザインする。さらに学習者の学習進度や習熟度を把握し学習履歴を継続的な学習に活かしている。ラーニングを受講した後の受講者の習熟度や満足度にこだわっていくことを重要と考えている。

また、動画配信では次の二つが注目される。
一つ目はJMOOC公認プラットフォーム“OpenLearning, Japan”で、日本の大学の授業をオンラインで無料提供している。見るだけではなく課題もあれば掲示板の利用もできる。
二つ目は“Asuka Academy”で、MIT、デルフト工科大学、カリフォルニア大学アーバイン校などの大学授業をビデオ受講によるeラーニング教育として同じく無料提供している。英語の講義だが、日本語のみ英語のみ、または両言語の字幕を出すことができる。字幕と動画の連動性も高い。国境を越えるeラーニングにも言語と言うハードルがあるが、まさにそのハードルを取り除いた講座である。

eラーニングは、企業・学校どちらでも伸びているが、今後もeラーニングが普及していく余地は大きいと同社は考えている。

【企業サイト】
株式会社ネットラーニング

 

【EDIX】バーチャルな教室空間を提供する ◆パイオニアVC株式会社◆

パイオニア

パイオニアVC株式会社は2005年設立、小学校から大学まで総合授業支援、遠隔授業支援、企業・団体向けの遠隔会議ソリューションのために、ハードからソフトまで電子黒板や小型PC、アプリ、リアルタイムの共有システムなどを提供している。
パイオニアVCのグループ会社であるブイキューブ広報担当大鳥氏に取材。

少子化、過疎化によって一つのクラスどころか一学年の人数が少なすぎて、児童や生徒がお互いの感想や意見、問題の解き方などを発表するとしても限定されてしまう。同社のビジュアルコラボレーションサービス“xSync”は複数の学校をつないで遠隔協働学習を行うバーチャルな授業空間を可能にする。新しい友人、新しい考え方に出会い学ぶ。一体型電子黒板によって個々のタブレット端末の画面を集めて見比べ、グループ学習も広がる。今回は84インチ製品が展示され、迫力ある鮮やかな画面でその機能を確かめることができた。

同社を含めたブイキューブグループには企業を対象としてオンライン学習、eラーニングの両方を提供してきた実績がある。様々な雇用形態に伴って入社時期、採用人数も一定ではなくなり、オンライン学習・eラーニングどちらの分野も必要度が高い。大鳥氏は中途入社が多い現在、新卒と同じように集合研修することができない場合もあり、一定期間変わらない研修内容であればeラーニング、更新スパンが短い内容はビデオによるオンライン教育と二つを使い分けて提供できることが、同社の強みであると話す。

企業内における人材教育の必要性と具体的な企業のコンテンツに対するニーズを的確に把握して対応していることが感じられる。

【企業サイト】
パイオニアVC株式会社

 

【EDIX】タブレット端末を手書きのノートに ◆株式会社MetaMoJi◆

メタモジ

株式会社MetaMoJiは2009年設立、タブレット端末における新しい手書き入力方式“mazec(マゼック)”を開発した。学校教育部門では日本語手書き入力“mazec for School”、リアルタイム授業支援アプリ“MetaMoJi ClassRoom”“MetaMoJi ゼミナール”、手書きノートアプリ“MetaMoJi Note 学校版”を紹介している。
営業部ディレクター早瀬氏を中心に取材。

同社のシステム・アプリを使うと、教師画面を生徒に送りじっくりゆっくり説明することも、受講生タブレット画面の巡視、リモート操作、ロックが可能。教師は、机間巡視などせずに必要な時に簡単に個々の受講生の進行状況が見えて、何が分からないのかを的確に把握できる。

モニターの大きさによるが複数のタブレット画面を同時に映し出し、グループワークやその発表にも使用できる。優れた解法や表現などをクラスとして共有し議論を深めるきっかけとなる。教師用タブレットで手書き入力して生徒タブレットやモニターに映し、全体説明や個別指導ができる。ちょうどチョークで板書したり、ノートに赤ボールペンで添削したりする感覚で使える初のアプリであるという。ネットワークの条件が整備されていれば、受講生はタブレットを自宅に持ち帰り同じように使用することも可能だという。

黒板やホワイトボード、ノートと同じように使えるが、さらにこれまでではできなかったことも可能になり、新しい授業を生み出せる商品サービスである。

【企業サイト】
株式会社MetaMoji

 

【EDIX】企業向け総合研修管理システム、さらに「派遣の学校」開発 ◆株式会社プロシーズ◆

プロシーズ

株式会社プロシーズは2003年設立、今回はeラーニング総合企業として総合研修管理システム“LearningWare”と、2015年12月リリースの“派遣の学校”という派遣社員のためのキャリア教育サービスを中心として出展。
“LearningWare”と“派遣の学校”についてわくわく教育事業部のChief Planner藤原氏氏にお話しをうかがう。

“LearningWare”は、主に企業の社内研修としての用に開発され、管理者にも受講者にも使いやすく、集合研修とeラーニングのブレンデッドラーニングを実現する。学習管理システム、コンテンツ提供サービス、コンテンツ制作サービス、導入・運用支援サービスのすべてを提供、それが他社にはない強みだという。自社開発ゆえに、お客様へのレスポンスが早く、システムのバージョンアップも3社ほどから要望があれば対応できるという。eラーニングについて総合的に相談したいというときには心強い体制である。

2015年9月30日の労働者派遣法改正に伴い、派遣社員に対しての教育訓練とキャリアコンサルティングが雇用企業側に義務化された。「派遣の学校」について藤原氏は「まだ新しい分野。問合せも増えているので、これから数年かけて盛り上がっていくだろう」と語る。「派遣の学校」は、オンライン教育メニューとキャリア担当者の連携によるキャリア教育サービスを提供する。各業界、業種に対応する内容、社会人基礎力など300タイトル以上のオンライン教育メニューがあり、学習結果はもちろんキャリアアドバイスもシステムに蓄積され、受講者一人一人のキャリアをサポートする。

【企業サイト】
株式会社プロシーズ

 

【取材を終えて】

EDIXはeラーニング、各種学校向けサービス、ICT機器、デジタル教材、教育に関する学生管理や教務事務他業務支援システムなどを提供する企業が、学校・教育関係者や学校向け流通関係者などに向けて出展する。

基本的にビジネスベースの展示会であり一般には公開されていない。関連する講演・セミナー・デモなども様々に行われ、教育ICTをすでに導入していれば、実体験と比較しながら使いやすさや新しさなど体感することができるし、未導入であればどのように何を採り入れることができるのか刺激を受けることができる。

”何を求めるか、探しているのか”しっかりとした計画がないと、説明をすべて聞いても決めることができなくなってしまうほど様々な商品やサービスが紹介されている。導入を検討する部門担当者の来場が多い展示会であるが、実際にeラーニングに携わり教える現場の先生方にこそ、このような展示会に来ていただきたいと感じた。自分の担当科目にはeラーニングは必要ないと考えている先生方も、最新のeラーニングを体験することによって新しい可能性を見出すことができる、それほどに色々な可能性を見せてくれる展示会であった。

内容が理解できるかどうか、見る側の知識や経験によって差が出る。ブースを巡り数多くの新しい情報の中から必要な情報、最適な情報を得るには、Qureを含め教育ICTニュースサイトで新しい技術やシステム、商品などについて日常的に情報を追っていくことも重要であろう。

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