【編集の眼】大学の博物館・美術館紹介No.1

大学の博物館や美術館は、規模こそ各大学で違うとはいえ、それぞれ特色もあり入館料も無料から手頃な価格でコストパフォーマンスもよい。私立大学では創立者や創立理念、独自の教育や研究が語られていることも多い。しかし、このような大学の歴史や資料の常設展示だけではなく、一般の博物館・美術館と同じようにテーマを持つ展示や、学生の授業と連携する展示も企画されている。企画展に注目したい大学博物館・美術館を紹介する。

編集の眼
玉川大学教育博物館

【玉川大学教育博物館】
都心から少し離れているが、玉川大学教育博物館は「教育」という研究テーマを核に、優れた企画展を公開し続けている。2014年から2015年にかけての“玉川学園創立85周年記念特別展 東と西のキリスト教美術―イコン・西欧絵画コレクションから”、“2015年度企画展 ミュージアム・コレクション展2015 錦絵にみる子供の遊び”、“2016年『玉川大学教育博物館 ガスパール・カサド 原智恵子コレクション目録』公開記念 〈特別展〉 デュオ・カサド ―今よみがえるチェリスト ガスパール・カサドとピアニスト原智恵子の世界―”など、展示内容・展示手法共にわかりやすく図録も充実。無料のギャラリートークも予約不要で、日時は限定されるが参加すると展示内容に深さや広がりを感じる。第1展示室で同時に公開されている学園に関する展示も教育理念とは何かを考えさせる。ウェブサイトも内容が豊富で所蔵資料の説明に加えて、データベース検索も可能。
【博物館サイト】玉川大学教育博物館
 

城西大学水田美術館

【城西大学水田美術館・城西国際大学水田美術館】
大学創始者である水田三喜男氏の、優れた浮世絵コレクション展示を楽しむことができる城西大学水田美術館。映像コーナーもある独立した美術館は、ゆっくりと浮世絵を鑑賞するには最適な環境。今年の予定は2017年4月5日(水)~22日(土)は“水田コレクション展 浮世絵版画の判型” 。千葉県東金市にある城西国際大学水田美術館も共通・独自両方の展示を行う。こちらは、5月16日(火)~6月10日(土)は“浮世絵でつづる房総人物伝 1 義民 佐倉宗吾”。どちらもやはり都心からは少し遠いが足を運ぶ価値のある美術館である。
【美術館サイト】城西大学水田美術館
        城西国際大学水田美術館
 

東洋大学井上円了記念博物館

【東洋大学井上円了記念博物館】
展示面積は小さいが、その一部で特色ある企画展を行ったり、授業で利用したり、大学らしい博物館が東洋大学井上円了記念博物館。創立者の建学精神を伝える“井上円了の世界”常設展と共に、大学の歴史や所蔵品を展示する特別展を開催している。現在は5月末までの予定で、“2016年度 博物館実習I〈1コース〉 実習成果展示 「教育者 内藤ますと伊藤うた ─近代山梨をかけた乙女たち─」”、「博物館実習Iで行ってきた資料調査の成果と、学生独自の視点によって制作された展示」(同博物館ホームページより)となっている。
また、2015年の“第2回企画展「ヨーロッパのメルヒェン世界―グリム童話と挿絵の黄金時代―」”、 “2016年度 東洋大学附属図書館企画展「花と妖精のヨーロッパ─挿絵が誘う『もうひとつの世界』─」”では2年連続で挿絵の歴史を追うことができるテーマ。学生を対象とするだけに解説が丁寧で、鑑賞者に考えさせる部分もあり、授業との連動も感じられる大学らしい展示だった。アクセスのよい都心にあり、立ち寄りやすい博物館でもある。デジタル画像や実物投影機で拡大してスクリーンで見せることと、実際の大きさや質感を実物の比較で見ることの違いも考えさせられた。

【博物館サイト】東洋大学井上円了記念博物館

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